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天然ジェットの歴史

ジェットは、紀元前1500〜1400年に採掘されていたことが 、ビーズやペンダント及びお守りなどが欧州のブリディシュ島の各地のお墓から発見されたことによりわかります。

1世紀〜3世紀イギリスがローマ人に占領された時代にジェットの鉱山が開かれ 「Yorkshire」ヨークシャーの港町、「Whitby」ウイットビーからローマへと船積みされたと記録されています。

4世紀後半ローマ人がイギリスを去るまでの 間ウイットビー・ジェットとしてヨーロッパ全土に知られるようになりました。 ローマ人がイギリスを去ると共にジェット工業は衰退していきました。

7世紀後半キリスト教がイギリスに普及すると共にジェットは 聖職者の装身具やクロス・リングなどに加工されました。 擦ると摩擦電気のため、小さい紙などを引き寄せる不思議な「黒い琥珀」 と呼ばれ魔除けやお守りとして、又高尚な人々の装身具として愛されました。

それは、17世紀の宗教改革により、偶像崇拝が非難されるとともに、 ジェットの装身具は身につけられなくなり、 ジェット工業もまたもや衰退しました。 ジェットの名前は古代フランス語の「jyet」とか「jaiet」から由来しており、 このフランス語自身はラテン語の「gagates」またはドイツ語の「gagat」に由来したものだそうです。

1837年18歳の若さで即位したアレクサンドリナ・ヴィクトリア女王が、 即位3年目にドイツ人で女王と同い歳のいとこにあたる夫アルバート公を迎えました。

1861年結婚21年目、42歳で夫アルバート公が腸チフスのため急逝したあと、 ヴィクトリア女王は悲嘆し、その後25年間にも渡る長期間喪に服したことにより、 モーニングジュエリー(故人を追悼する宝石)の大流行が起こり、 そのためジェットは正式なモーニングジュエリーとして認められ、飛躍的な発展を遂げました。

また、黒いジュエリーはどうしても冷たい印象になりがちですが、 ジェットはその素材が持つ独特の柔らかみのある艶が反対に暖かみを感じさせてくれ、 葬祭の席には正式なモーニングジュエリー(故人を追悼する宝石) として身につけることが許されている数少ないジュエリーです。

古来日本では故人を尊ぶ習慣があり、 そのような法事の席や急な弔問などの場合の略礼服にジェットのネックレスを胸元に付けるだけでも、 十分故人をしのぶことが出来ると思います。